犬糸状虫症(フィラリア症）とは

犬糸状虫（Dirofilaria immitis)は、心臓や肺動脈などに寄生する寄生虫です。
伝染は、すでに寄生虫の幼虫がいる血液を蚊が吸い、その蚊の中で幼虫が成長してから他の感染していない動物の血を吸う時に起こります。
犬糸状虫が寄生する動物は、ペットとしては犬（およびイヌ科のエキゾチックペット）のほか、猫やフェレットです。ウサギや鳥への寄生は今のところ確認されていません。

主な症状は次のようなものです。

	犬	猫	ﾌｪﾚｯﾄ
主な奇生部位	・右心室 ・肺動脈 ・右心房 ・大動脈	・肺動脈	・右心室 ・前大動脈 ・肺動脈
症状	・無症状 ・咳 ・疲れやすい ・腹部が膨れる ・失神 ・血尿 ・喀血 ・死 など	・無症状 ・咳 ・食欲不振 ・失神 ・突然死 など	・無症状 ・咳 ・食欲不振 ・腹部が膨れる ・呼吸困難／速迫 ・突然死 など
特徴	・大量に寄生することがある	・ミクロフィラリア（幼虫）血症になりにくい ・検出、診断が難しい ・少数寄生でも重篤になることがある	・少数寄生でも重篤になることがある ・検出、診断が難しい

犬糸状虫症予防について

犬糸状虫症にならないためには、予防薬の投与が必要になります。

この予防薬は、「犬糸状虫症」にならないための薬で、感染した蚊に刺された後、フィラリアの幼虫が成長する前に体内で駆虫する、という仕組みです。

予防薬を効果的に投与していれば、感染した蚊に刺されても犬糸状虫症を防げます。　

しかし、もしも予防薬を感染している動物に投与した場合、場合により動物が重篤なアレルギー反応を起こします。

そのため当院では、犬の場合は予防薬投与前に、効果的な予防が出来ているかを、必ず検査で確かめております。

その際には、より確実性の高い検査として、抗原検査（フィラリアの成虫がいるかどうかを調べる検査）を院内で行っております。

猫の場合、犬ほど感染を確実に確かめることが難しいので、抗原検査のほか、抗体検査、ミクロフィラリア検査を組み合わせて確認しています。

フェレットやその他の動物については安全性を十分に確認する検査法がございません。過去の予防履歴と症状を伺い、ご説明をしたうえで処方しております。

予防薬の投与期間は蚊の中のミクロフィラリアが感染力を持ってから1か月後から、感染力を失ってから１か月後まで

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